筆記試験の種類と受験形式
就職活動の筆記試験と言えば「SPI3」が最も有名で、この対策をする就活生も多いです。
しかし実際には、筆記試験の種類は複数あり、その受験形式も2~4パターンあります。
例えば、SPI3の対策を一生懸命したところで、志望先企業がGABを出してきたら、対策の意味が無くなります。
また、SPI3の中でも、ペーパーで受験する場合とテストセンターで受験する場合とで、出題範囲も制限時間も変わります。
本番で混乱しないように、このページでは、主要な筆記試験の概要と受験形式について解説します。
大学生の新卒就職活動で用いられる筆記試験は、主に次の5種です。
①SPI3
②玉手箱
③GAB
④CAB
⑤TG-WEB
(細かいのまで含めると、他にも色々あります。)
志望先の企業がどの筆記試験を出題するのかは、就職四季報などの書籍に書かれていたり、OB・OGが教えてくれます。
事前に情報を得ている学生は、筆記対策を効率的に出来るでしょう。
では、それぞれの試験について解説します。
①SPI3
恐らく、大体の就活生はSPI3の対策を避けられません。
それくらい多くの企業の筆記試験に採用されています。
問題そのものは小~中学レベルの国語、算数(数学)です。
企業によっては、オプションで「英語(ENG)」や「構造的把握力検査」を出題します。
問題の難易度は低いので「解ける」のは当たり前です。
1問にかけられる時間が短いので、「素早く解く」ことが出来なければ、高成績は取れません。
なお、同じSPI3でも、受験形式により出題が異なります。
そのパターンは以下の4つです。
・ペーパーテスト
企業が用意した会場でマークシートを解く方式。
・Webテスティング
主に自宅などのパソコンで試験を受ける方式。
・テストセンター
テストセンター専用会場のパソコンで試験を受ける方式。
・インハウスCBT
企業が用意した会場のパソコンで試験を受ける方式。
例えば、SPI3の頻出問題「推論」も、ペーパーテスト、Webテスティング、テストセンターで出題が違うこともあります。
つまり、SPI3対策をするにしても、どの受験形式を想定するかで対策も変わるということです。
ですから、問題集を選ぶ際にも注意が必要です。もし「SPIのWEBテスト対策」と書かれている問題集を購入した場合、その問題集はペーパーテストを想定していない可能性があります。
大体の問題集には、筆記試験の種類だけではなく受験形式まで書かれていますので、注意して選んでください。
②玉手箱
ウェブテストに玉手箱を採用する企業はかなり多いです。
SPI3に並んで、玉手箱対策は必須になるでしょう。
たまに勘違いされている方がいますが、玉手箱とGABは別物です。
ただ、試験を作っている会社が同じということもあり、GAB形式の問題が玉手箱に含まれていることもあります。
玉手箱の問題は、以下の8種の組み合わせです。
「計数」
・四則逆算~方程式の空欄に入る数字を選ぶ問題。
・図表の読み取り~図表を読んで設問に答える問題。
・表の空欄の推測~表の空欄に入る数字を選ぶ問題。
「言語」
・論理的読解~数百文字の文章を読み、設問の内容が正しいか、誤っているか、判断できないかを答える問題。
・趣旨判定~数百文字の文章を読み、設問の内容が趣旨を捉えているか、趣旨と異なるか、本文と全く関係の無いことかを答える問題。
・論旨把握~1,000文字程度の文章を読み、選択肢の中から本文の趣旨を捉えているものを選ぶ問題。
「英語」
・論理的読解~「言語」の論理的読解の英語版。
・長文読解~英語の長文を読み、設問に答える問題。
企業によって組み合わせが異なりますので、それぞれ対策しておきましょう。
玉手箱の受験形式は2パターンで、自宅などのパソコンで受けるか、テストセンターで受けるかです。
③GAB
GABは「言語」と「計数」の問題で構成されています。
「言語」
長文読解です。数百文字の文章を読み、設問に答えます。
ちゃんと日本語を読めて、論理的に思考できるかどうかをテストされています。
「計数」
図表の読み取りです。
例えば、企業の決算、業界別の人口比などの図表が出題されます。
GABにも受験形式が2パターンあって、ペーパーで受ける場合と、自宅などのパソコンで受ける場合があります。
受験形式によって制限時間も異なります。(パソコン受験の方が制限時間が短い。)
④CAB
CABの問題は、「暗算」、「法則性」、「命令表」、「暗号」で構成されています。
「暗算」
四則演算です。足し算、引き算、掛け算、割り算。
小学校の問題ですが、1問あたり10秒くらいしか時間がありませんので、素早く解ける必要があります。
「法則性」
図形群の法則を読み取り推理する問題です。
例題を見るのが一番分かりやすいと思います。
ネットで検索すればすぐ出ますが、例えばこのサイトとかに分かりやすくまとめられています。
「命令表」
命令表を見て、図形群が最終的にどうなるか推理する問題です。
こちらも例題を見た方がよく分からないと思いますので、こちらのサイトでご覧ください。
「暗号」
同じく上記のサイトから例題をご覧ください。
「暗算」はともかく、「法則性」、「命令表」、「暗号」は、事前に解き慣れておいた方が無難だろうと思います。
GABと同様に、CABの受験形式もペーパー受験とパソコン受験の2パターンがあります。制限時間も違うので、ご注意ください。
⑤TG-WEB
SPIや玉手箱に比べて知名度が低いかもしれませんが、この試験を採用している主要企業も数多くあります。
志望先によっては、対策せざるを得ないでしょう。
TG-WEBの問題は、「言語」、「計数」、「英語」で構成されています。
このうち、言語と計数は、「従来型」と「新型」の問題に分かれ、どちらが出題されるかは企業によります。
一応、現在(2018年)の主流は従来型です。
「言語」
・従来型~空欄補充、並び替え、長文読解
・新型~同義語、対義語、ことわざ
「計数」
・従来型~暗号、展開図
・新型~方程式、図表
「英語」
・長文読解
受験形式は、自宅などのパソコンで受ける、ペーパーテスト、テストセンターの3パターンがあります。
初見で「困惑した」と話す学生がいますので、こちらも解き慣れが重要になるでしょう。
とりあえず、主な筆記試験を解説しました。
例えばSPIは、時間とともにバージョンアップして現在のSPI“3”になっています。
本ページは2018年時点の情報ですから、20卒以降の方々はちゃんと最新の情報を調べてくださいね。
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