学歴フィルター
学歴フィルターとは、企業が採用活動をする際、一部の大学出身者を優遇または冷遇することです。
主にネット上で見かける言葉ではないかと思います。
学歴フィルターが「ある」か「無い」かというと、「あります」。
ハッキリとそう言えます。
ただ、その実情について正しく理解されていない高校生・大学生も多いです。
学歴フィルターについては、能力の低い学生の被害妄想も多分に含まれていますので、正しく理解することが大事です。
学歴フィルターは、大きく2種類あります。
①選考で高学歴を優遇するための学歴フィルター。
②選考前に低学歴を弾くための学歴フィルター。
①は、大学内で行われる会社説明会や、就職サイトのスカウト、OB・OGのリクルーター面談などで顕著です。
高校生の皆さんはイメージしにくいかもしれませんが、要するに、一部の高学歴は特別ルートで選考を受けられたりするってことです。
あくまで「選考を受けられる」だけなので、高学歴だから内定が得られるというものではありません。落ちる学生は普通に落ちます。
ただ、やはり高学歴は就職活動でも有利と言えます。
(理系修士卒などに見られる推薦枠とはまた別の話です。混同されないように。)
②は、企業にエントリーシートを提出しても無視されるとか、会社説明会の予約ページが満員になっている(高学歴の予約ページは空いてる)とかが有名です。
そもそも、その企業の選考を受けることが出来ないのです。
どこからどこまでの大学を優遇または冷遇するのかは企業によりますので、よくネット上で言われている日東駒専、MARCHよりも上だとか下だとか、そういうのはナンセンスです。
学歴フィルターに関する正確な統計データはありませんが、参考までに、「マイナビ企業新卒採用予定調査」という企業アンケートの情報を載せておきます。
有効回答数2,136社(うち上場244社・非上場1,892社)の企業アンケートです。
この企業アンケートの中には、「採用ターゲットとしている学校群はあるか」という項目があります。
それに対して「ある」と回答した企業は、これだけあります。
19年卒 | |
全体 | 47.1% |
上場企業 | 67.4% |
非上場企業 | 43.5% |
製造業 | 62.0% |
非製造業 | 37.8% |
業種別だと以下のようになります。
年度 | 19卒 |
全体 | 47.1% |
建設 | 64.1% |
製造 | 60.6% |
商社 | 39.5% |
小売 | 33.3% |
金融 | 45.9% |
マスコミ | 30.8% |
ソフトウェア・通信 | 51.9% |
サービス・インフラ | 39.0% |
官公庁・公社・団体 | 11.0% |
あくまでマイナビの企業アンケートに回答した2,136社(うち上場244社・非上場1,892社)の情報ですから、就職市場全体の数字ではありません。ただ、少なくともこれらの企業のうち、47.1%は「採用ターゲットとしている学校群がある」と回答しています。
こういった企業の場合、採用ターゲットとしている学校群に対する優遇、またはターゲット外の学校群に対する冷遇もあり得ると思います。
(一応補足しておくと、「採用ターゲットとしている学校群以外からは採用しない」と回答しているわけじゃないですよ。あくまで、採用ターゲットとしている学校群があるかどうかです。)
この採用ターゲットとしている学校群がどの辺りなのかは不明です。
日東駒専・MARCHより上か下か、それとも国立か私立か。当然企業によって違うでしょうから、一概には言えません。
気がついた方もいるかもしれませんが、アンケートに回答した上場企業の約67%が採用ターゲットとしている学校群を決めている一方、約33%はターゲットとしている学校群を決めていません。
非上場まで含めればもっとですね。(日本には非上場の大企業も数多くあります。)
実際、僕もそうですし、僕がこれまで見てきた低偏差値大学生達も、高学歴層と同等の就職をすることがあります。
それなのに、現実として低偏差値大学生の就職は「悪い」です。非常に悪い。
この問題については、「なぜFラン大生は就職難に陥るのか」ページで解説します。
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第27話】